脳内キャンプファイア

主に音楽と独白。真面目なレビューはやりません

社畜は世間に生ける【肉機械】なのか?

『肉機械』

このようなグロくて、過激で吐き気を催すイメージを喚起する言葉が

作品の中に頻繁に出てくる書籍がある


「現代文学のモンスター」の異名をとる。

ウラジーミル ソローキン、 Sorokin,Vladimir

『氷』三部作

である




この作品の主要なキーワードは

シベリアツングース上空での隕石が爆発】
ツングースカ大爆発 - Wikipedia

そして

【氷】


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この近代ロシアの作家が世に出した
この作品のなかで最初に

『肉機械』

という言葉が出てくるのは

出版順でいえば、最初に出版された二作目の

『氷』

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なのだが

ストーリー的には次ぎに出版された

物語の時系列では最初に当たる

『ブロの道』

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の中盤少し前の


『氷』

の項以降に頻繁に登場する


※ややこしいが、最初に出版された二部の
『氷』から読み進めると、その経緯が
一部の『ブロの道』で説き明かされるという
読み方ができる。もちろん時系列に沿って
一部から読んでみるのも良い。


三部目である
『23000』

は未読であるが


先の二部を読む限り

ただのアナーキックファンタジーでは

片付けられない何か?

を読後に残す


『肉機械?』

『私のこと?』

『私は肉機械なのでは無い!』
という流れで、潜在的に自分と照らし合わせながら、過激なSF作品として楽しめるのだが


都市伝説的なファンタジーとして楽しみながらも、この作品を読んだ後は


『肉機械』

という言葉が

ふとした瞬間、心の奥底から沸き上がることがある


『肉機械は満員電車に、次々と詰め込まれる乗客であり自分なのだ』

そして

『自分もそれらの肉機械と共に、社会の呪縛から解き放たれることなく、今日もまた流されて行くのだ・・・』

と・・・・

ブロの道: 氷三部作1 (氷三部作 1)

ブロの道: 氷三部作1 (氷三部作 1)

氷: 氷三部作2 (氷三部作 2)

氷: 氷三部作2 (氷三部作 2)

23000: 氷三部作3 (氷三部作 3)

23000: 氷三部作3 (氷三部作 3)







青い脂 (河出文庫)

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ロマン〈1〉 (文学の冒険)

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